基礎工学部は、昭和49年に、当時全国立大学唯一の超高圧研究のための施設として、基礎工学部付属超高圧実験施設を設置しました。また、昭和54年には、電子ビームと固体との相互作用に関する研究成果を母体として、基礎工学部付属極限微細ビーム加工実験施設が設置されました。当該施設は、昭和62年に、学内共同教育研究施設である極限物質研究センターに改組統合し、翌年には超強磁場実験施設を統合しました。その後、極限物質研究センターは、平成8年には極限科学研究センター、平成18年には極限量子科学研究センターと発展的に改組されてまいりました。
一方で基礎工学研究科は、平成14年度より、部局独自の研究組織として、未来研究ラボシステムを設置し、異なる基盤専門の融合から新しい研究の芽を涵養し、未来志向型の研究や独創的な新領域の創成につながる研究を展開してきました。第二期中期目標中期計画においては、未来研究ラボシステムで発展した研究拠点を附属センターとしてさらに発展させ、当該分野の学際融合研究を格段に進展させることを計画しました。このような状況を踏まえて、極限量子科学研究センターの教員及び未来研究ラボシステムに参画する教員を中心として、学内外組織ならびに国際連携をいっそう強力に推し進めることにより新しい学術領域を創成するため、平成26年度から基礎工学研究科の附属施設として極限科学センター及び未来研究推進センターを新たに設置することとしました。
極限科学センターでは、これまで展開してきた極限科学計測をいっそう深化させるとともに、基礎物性の科学的解明に基づく新物質の創出も視野に入れた研究を、超高圧研究部門及び先端エレクトロニクス研究部門において展開していきます。また、国際連携部門においては、海外からの招へい教員が当該センター教員のみならず基礎工学研究科教員とも共同研究を積極的に行い、極限科学に関わる研究をグローバルな視点で展開します。さらに、未来研究推進センターの光量子研究部門及び未来研究部門との緊密な研究連携によって、これまでに比してより広範な領域において極限科学の研究を格段に進展させ、基礎工学研究科の理念である複合学際領域の開拓と新学問領域の創成を目指します。